鈍い痛みと腫れにご用心!色素性絨毛結節性滑膜炎かも?

reaf 色素性絨毛結節性滑膜炎とは?

説明する医師

膝に、「膝を傷めたりひねったような心当たりは特にないのに、膝に鈍い痛みと腫れの症状が出るようになってしまった」という人は、すぐに整形外科に行くことをおすすめします。

なぜならそれは、膝のやっかいな病気である「色素性絨毛結節性滑膜炎(しきそせいじゅうもうけっせつせいかつまくえん)」である可能性があるからです。

色素性絨毛結節性滑膜炎をごく簡単に説明すると、「遺伝子の突然変異で、関節の中にしこり(腫瘍)ができる」というものです。

腫瘍といっても、関節にある滑膜の細胞が急激に増殖することによってできるしこりであって、悪性腫瘍(ガン)とは違います。

ですが「ガンじゃないから安心」とは言えません。なぜなら、色素性絨毛結節性滑膜炎のしこりは放置しておくとどんどん大きくなり、関節軟骨や骨を傷つけていくという、大きなリスクがあります。

進行すると、関節内に炎症が起こって鈍い痛みが生じる、血が溜まって腫れる、という症状が出てくるのです。

reaf 色素性絨毛結節性滑膜炎の治療

色素性絨毛結節性滑膜炎の治療法は、今のところ「症状が出れば、腫れた部分の血液を抜いたり、角膜切除など外科手術をし、場合によっては外科手術後に放射線治療もおこなう」という感じになっています。

しかし、たとえ外科手術等をしても、「これでもうずっと大丈夫」というレベルの完治まではあまり期待できません。今のところ根治療法はなく、またいずれ再発する可能性も高い、というのが、色素性絨毛結節性滑膜炎の非常にやっかいなところなのです。

だからといって「再発するなら手術してもムダ」という考えでの放置は、膝関節の変形・破壊のスピードを加速させてしまうことになります。再発のリスクがあっても、症状が出たら、すぐに治療することが必要です。